PCスマホ変換技術 の5W1H解説:なぜ変換なのか?どうやって変換するのか?
PCスマホ変換技術 5W1Hの最後は、根源的な問いかけでもある「なぜ変換したいのか?」と、現実策として「どんな方法があるのか?」という2つです。では、解説しましょう。
[Why]なぜ変換したいのか? – (目的)
私たちの経験上からも、「変換」したい典型的な場面としては以下のような時があります。
- セッション管理などのある複雑で動的なWebアプリケーションを、元システムに手を入れずにスマホ対応したい時。Webアプリケーション開発・保守のコスト削減が主たる目的。
- CMSでできている更新が頻繁なPC用の静的なホームページをスマホUIに最適化したい時。PC更新時にスマホに自動反映されることが目的。
- 過去制作した静的な大量のPC用コンテンツがあり、スマホサイト化を一気に進めたい時。更新は少ないので、初期コスト・工期を削減するのが目的。
- Webアプリケーション開発手法として、スマホを変換で対応したい時。PCサイトと連携させることで開発時の重複コストを削減したい。
「なぜ」は要件とも言えるので、技術やサービスにも影響します。この為、変換サービスを選ぶ際にも、自分たちがなぜ変換するのかをリマインドするのは役に立ちます。
- カスタムにSI開発ができる自由度が高いツールを選び、そのツールを使えるベンダーに開発依頼する必要があります。要件に応じてASPかオンプレミスを選択します。
- ASPからページ編集するタイプが向いています。少々の動的ページであればサポートできるツールもあります。ページが大量の場合にはSIになるケースもあります。
- 静的ファイルの大量変換は適切なツールは未だありません。同じデザイン構成であれば1番の方法が使えますが、過去のページが同じデザイン構成であると検証できる方法がありません。
- 構築システム組み込むため、製品として供給されているツールを選ぶと良いです。
ここでサービス名は挙げていませんが、検索して出てくるサービスを上記に当てはめるのは難しくないでしょう。
[How]変換するには、どんな方法があるか? – (実現手段)
ツールの分類の仕方は色々ありますが、Why?の1~4にマッチする形で分ければ3つになります。また、ざっくりとツール単体のコストレンジも記載しますので、参考にしてください。
A)Web完結型ASP
Webで申込み、Web上の開発・管理を操作してページを組み立てていくASPです。1ページずつ作りこんでいくタイプです。自社での操作が難しい場合には、開発代行を依頼することもできます。顧客全体に同じサービスをしているので安定感が高いサービスです。費用は、年間で2~50万程度です。Why?の2番ASPです。
B)SI委託型ASP
Web完結型よりも高度なセッション管理を含む変換を行うことができます。変換ロジックは個別に作りこむので自由度が高いですが、基盤となるASP上の開発方法が特殊なので自社やパートナーではなく運営企業にSIを委託し、ワンストップで変換が実現できます。費用は、年間50~200万程度です。プラスして構築・保守費が掛ります。Why?の1番ASPです。
C)ソフトウェア導入型
変換のプラットフォーム基盤を自社で導入し、その上に自社またはパートナーが変換ロジックを自由に構築していきます。PCとスマホ変換が一体で構築できるので、PC運用と高い連動性を持つことができます。費用は、年間100~300万程度です。プラスして構築・保守費が掛ります。Why?の1番4番製品です。
それぞれの方式にはそれぞれ向き不向きがあり、コストも大きく異なります。一般的にA→B→Cの順で自由度や機能は高まりながら、そのコストや実現条件は膨らんでいきます。
ここまで3回に分けてPCスマホ変換製品を分類してきました。Webサイトは、構成も運営も様々で、掛けられるコストや手間も様々です。それに対応するように変換にも様々なタイプがあります。もし、あなたのスマートフォンサイトにぴったりの変換ツールが見つかれば、そこに掛るコストや手間を大幅に軽減することができるでしょう。