レスポンシブWebデザイン、CSSフレームワークなど、Webフロントエンド開発に関するBLOGです。
※SYMMETRIC公式BLOGと統合し、ブログ名称を変更しました

レスポンシブの費用問題

前回は、PCサイトをスマホ対応する際の問題について論じました。
今回はレスポンシブのコスト問題についてフォーカスします。

スマホサイトにコストを重点配分すべき

レスポンシブ制作における、最終的な問題はコストです。レスポンシブの初期の頃に比べ、多くのツールやライブラリ、cssフレームワークが出てきて開発負担は随分と軽減されました。しかし、制作コストはPC/スマホの2つ制作するものと思ったほど変わらないケースも多くあります。レスポンシブのメリットは、今やコストよりも、URLが1つになる、システムと接続が1つ、などの方が大きいかもしれません。また、レスポンシブではSEOにも有利になります。では、なぜ制作コストが下がらないのでしょうか?

スマホのアクセスが80%以上

今やコンシューマー向けのサイトでは、スマホでのアクセスが8割以上になることも普通のことになっています。特に新規ユーザーはほとんどスマホという状況です。そうならば、打つべき施策はスマホ優先であり、大半のコストはスマホ対策に費やすことが得策です。

しかしながら、既に書いたように、レスポンシブで作られている場合、PCサイトもデザインし、PCサイトに組み込まなければなりません。もしアクセスの80%がPCであれば、簡易的なスマホを少しの費用で対応できることは理にかなっていますが、現在はスマホユーザーが80%なのです。このことから、PCサイトへのコストが無駄と感じられがちです。

コストはPCサイト分の方が高い

レスポンシブで制作すれば、ベース(PC)+レスポンシブ対応(スマホ)が内訳となります。一般的にはレスポンシブ対応で50%増し前後となりますが、PCはスマホに比べデザインが大幅に膨らみ、コーディング量も増えます。ケースバイケースですが、仮に制作コストをPCとスマホに分けるならば、ベースとレスポンシブ対応のコスト比2:1と同程度になるでしょう。

実際の比率はサイトによって異なりますが、このことは、スマホへ1つ施策をするにあたって、レスポンシブではその2倍以上の費用が余計に掛かりうることになります。

80%のアクセスのスマホに1/3、20%のアクセスのPCに2/3というコストの配分率こそ、レスポンシブの最大の問題と言えるでしょう。

スマホへの施策が十分にできない

同じ予算でも100%スマホに掛けられる場合と33%しか掛けられないのであれば、後者のその競争力は相対的に低くなります。コストは外部への発注コストだけでなく、内部でのPCデザインの検討やレビューなどにも及び、多くのリソースを消費します。

それでもPCは必要。コスト比率の逆転を。

PCのアクセス比率が20%に落ちたと言っても、その原因はPCが大幅に減ったことではなく、スマホが大幅に増えたことによります。PCが無くなるのではなく、PCのアクセスが頭打ちになっただけなのです。よってPCサイトはビジネスにとって、今後も必要です。

必要なことは、PCとスマホのアクセスシェアが逆転したように、コンテンツのコスト比率も逆転させることです。それには今のレスポンシブのようにPCをベースにしたものではなく、スマホをベースにすることが考えられます。それを実現するソリューションが、「スマホのサイト制作。PCは自動変換 | alter.js」なのです。

では、なぜレスポンシブをスマホベースで制作されないのか、次回はそこにフォーカスを当てます。

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